はなこのブログ。

酒をよく飲みすぎてしまう人です。7歳の娘がいます。

6年前はじめてひとり旅したときの話【仙台編】

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6年前はじめてひとり旅したときの話【出発編】
6年前はじめてひとり旅したときの話【松島編】
のつづき。

**

「温泉♪」「牛タン♪」「温泉♪」「牛タン♪」

寒さで脳がやられてしまった私は、再び妙なテンションになり、仙台へと舞い戻ってきた。
そしてすぐにビジネスホテルにチェックインした。

このホテルには温泉があると書いてあったので、私は部屋に着くなり、さっそく大浴場に直行した。

「お風呂♪」「お風呂♪」

時間帯が微妙だったので、風呂には誰も入っておらず、貸切状態だった。
温かい湯に包まれ、先ほど極寒の地でキンキンに冷えたビールを飲んだ自分をねぎらいながら、足をモミモミした。

露天風呂があったのでそちらにも入った。
空からはみぞれのようなものが降ってきていたので、「今日は雪か…」とつぶやいて満足した。

「ゆ〜き〜の〜降~るまち~♪ひ~とりで~♪思い出と歩いた~♪」
またSMAPを歌った。


ひとしきり湯を満喫した私は部屋に戻り、牛タン出陣前に少し仮眠をとることにした。
朝5時起きだったのが身体に堪えたのだ。

1時間ほど仮眠をとり、ちょうど夕飯どきに目覚めた私は、いざ、牛タンを食べに仙台の街へと繰り出していった。

『るるぶ』にはたくさんの牛タン屋さんが載っていたが、どれがいいか判断がつかなかったので、「牛タンのにぎり」の写真が美味しそうだったお店に行くことにした。(店名忘れた)

店につくと、そこは居酒屋っぽい広い感じの店だったので、ひとりでは大変入りづらい気がした。
でも、牛タンのにぎりは食べたい。
入りづらい。
食べたい。
入りづらい。
食べたい。
入りづ…やっぱ食べたい、入ろう。

店のドアを開け、「おひとりですけど何か?」みたいな顔で堂々と店内に入った。
時間帯が早かったせいか、客は私ひとりだった。

カウンターに案内され、お目当ての『牛タンのにぎり』『牛タン定食』、そしてもちろんビールも注文した。

さっそく牛タンのにぎりがきたので、光の速度で手にとって口に入れた。


めっちゃうまい。うまお。

2貫しかなかったので、はらぺこの私は10秒ほどで平らげた。
店員に二度見された。

こちらも負けじと、「定食はまだかな?」みたいな視線で圧力をかけていると、まもなくメインの『牛タン定食』がやってきた。

私はたまげた。

これが本当に牛タンなのか。
私が東京でいつも食べていたやつとは似ても似つかない風貌だ。
これが本物の牛タンだとしたら、私がいつも食べてるペラペラのお肉は一体なんなのか。

私はまたもや光の速度で分厚くカットされた牛タンを手にとり、口に入れた。


めっちゃうまい。うまお。

私はグルメリポーターには向いていないようだ。
だがうまい。なんだこれうまい。
正直、松島を見たときの1000倍は感動した。
しかも私の大好きな麦ご飯までついているではないか。

私はあっという間に定食を平らげてしまった。

もう少し何か食べたい気分だったが、やはり少し居づらい雰囲気だったのでそそくさと店を出た。

牛タンがあまりに美味しかったので、私は上機嫌で繁華街を歩いた。
そして、ビール一杯などでは到底飲み足りなかったので、通りにあったカジュアルな雰囲気のバーに足を踏み入れた。

やはりまだ時間帯が早いせいか、客は私ひとりだったが、今度は一人でも気にせず、カウンターに座ってビールをぐびぐびと飲んだ。

私は確実に仙台を愛し始めていた。

私の顔がニヤニヤしていたせいだろうか、イケメンの店員(メガネ)が、「このあとどこか行かれるんですか?」みたいなことを聞いてきた。

私は「いいえ」と答えた。

メガネは「そうですか」と返した。

そこで私は万を辞して『あの言葉』を口にした。

「東京からひとりで来たんです」←ずっと誰かに言いたかったやつ

するとメガネはとてもビックリした様子だったので、私はなぜか鼻が高い感じがした。

その後は話がはずみ、これまでの珍道中や明日の予定について話した。
案内しようかとまで言ってくれた。
私は上機嫌で酒をたくさん飲んだ。
仙台マジックにかかってしまったようだ。

ふと窓の外を見ると、雪が降っていた。

「わあ、積もるかなあ」なんて思いつつ、時計を見たら時間もだいぶ経っていたので、「そろそろ帰ります」とメガネに告げた。

メガネが持ってきた伝票を見た私は驚いて目ん玉が飛び出た。

3000円?!

安っ!なにこれ仙台価格?

私はそのとき相当な量の酒を飲んでいたし、いつも友人と安めの居酒屋で飲んでも一人あたりこの2倍以上は金を使う。

激安の殿堂か。はたまた妖怪のしわざか。
私がばくばくと食べて3回ぐらいお代わりしたナッツはサービスだったのか…。

私は心の中で「ありがとう」を5回くらい唱え、実際には「ごちそうさまでした」と言って店を出た。

店を出るときにメガネがドアの外まで送り出してくれた。
そのとき彼が、「店が終わる時間にまた来てよ」と言ったので、私は、「気が向いたら来ますね」と言って手を振った。

気が向いたら本当に来るつもりだった。
しかし、実際には私の気が向くことはなかった。

なぜならこのあと、さらなる旅の出会いが私を待っていたからなのだった。

→→→→
6年前はじめてひとり旅したときの話【仙台・完結編】につづく。

 

牛タンの写真がなくてさみしいので、2度目に仙台に訪れたときに撮った写真を貼っておきますね。(飯テロしたいだけ)
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